リャプノフ方程式…Homework
[1] 対象が平衡状態にあることは線形状態方程式において、を意味します。そこで平衡状態が乱されてとなる時刻をにとると、線形状態方程式は次式となります。
これに出力方程式
を考慮する場合も含めると、漸近安定性の判定法は次のようにまとめられます。
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【漸近安定性の定義とその等価な条件】
定義DA:
条件A0:
条件A1:
条件A2:
条件A3: ただし、は可観測対
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ここで、条件A2、条件A3における行列方程式はリャプノフ方程式と呼ばれます。
<定義DA条件A0条件A1>
はすでに示しています。以下では、
<定義DA条件A2条件A1>および
<定義DA条件A3条件A1>
を示して全部の等価性を主張します。
●<定義DA条件A2条件A1> 定義DAより、(1)の解の二乗面積は有界となり、
から、が定まります。これは次のようにリャプノフ方程式を満足します。
次に、条件A2が成り立つとします。がを満たす固有値をもつとし、これに対応する固有ベクトルをとします。このとき
となって矛盾。したがって条件A1を得ます。
●安定行列に対して条件A2を確かめます。リャプノフ方程式は
となり、次の連立1次方程式に書き直すことができます。
これより、次を得ます。
●<定義DA条件A3条件A1> 定義DAより、(1),(2)の解の二乗面積は有界となり、
から、が定まります。ここで、は可観測対の条件が、可観測性グラミアンを保証し、が成り立ちます。これは次のようにリャプノフ方程式を満足します。
次に、条件A3が成り立つとします。がを満たす固有値をもつとし、これに対応する固有ベクトルをとします。このとき
となって矛盾。したがって条件A1を得ます。
Note A51 ラウス・フルビッツの安定判別法
次式で表される次自由系を考えます。
この漸近安定性は
で定義され,行列のすべての固有値の実部が負であることが必要十分条件であることはよく知られています。行列の中に不確かなパラメータを含む場合,漸近安定性を保証する範囲を求めるために,Routh-Hurwitzの安定判別法が有用です。これは,行列の特性多項式
の係数から得られるRouth表
の第1列の要素がすべて正()であれば漸近安定,または係数がすべて正()かつHurwitz行列式
がすべて正であれば漸近安定と判定します。両者の間には,次が成り立ちます。
●たとえば、の場合は、次の条件となります。
の場合は、
の場合は、
証明
●Routh-Hurwitzの安定判別法の時間領域における証明については,P.C.Parksによって,自由系が漸近安定であるための必要十分条件
に基づくものが示されています(ただし,は可観測対)。彼は
を,ある正則行列で相似変換した行列
に対して
を満足するとを,次のように求めています。
実際,を計算してみると
となります。したがって
が得られます。明らかに,のとき
となり,は可観測対です。また,関係式
が成り立つことが示されており,の正定性からRouth-Hurwitzの安定判別法の妥当性が出ます。
●以下では、2つの行列
に対して
を満足する座標変換行列を導出します。ここで
が成り立ちます。
さて、次の関係式はよく知られています。
ただし
ここで,簡単のために,の固有値は互いに相異なるものとします。このとき
を満足するを求めれば,座標変換行列は
のように表されます。
(119)に関する補足
●のとき
ですから,自明な場合
で,,すなわちとなります。
●のとき
となります。いま
すなわち
となるを求めると
ただし
これは
と一致しなければならないので
となります。また,Hurwitz行列式を用いて
と表されるます。実際
以上から,,すなわちとなります。
●のとき
となります。いま
すなわち
となるを求めると
ただし
これは
と一致しなければならないので
となります。また,Hurwitz行列式を用いて
と表されます。実際
以上から,,すなわちとなります。
●のとき
となります。いま
すなわち
となるを求めると
ただし
これは
と一致しなければならないので
となります。また,Hurwitz行列式を用いて
と表される。実際
以上から,,すなわちとなる。
●ここまで調べれば、の場合の(119)からの場合の(119)を示すことができる思います(あとでやってみます)。