出力数=入力数の場合…Homework
これまでは、SM制御則の線形制御部を状態フィードバックの形で求めていましたが、以下では出力フィードバックに置き換えることを検討していきます。
[1] 制御対象の状態空間表現として次式を考えます。
ただし、はモデル誤差、非線形要素、外乱などの影響を表し、次のマッチング条件を満たすとします。
これに対し、次のスイッチング関数を定義します。
●状態方程式(1.1)は次のSM標準形をとるように座標変換されているとします(Note C22-1参照)。
これに対応して、観測方程式(1.2)も次のように表しておきます。
すなわち、以下では行列は(4.1)と(4.2)のような分割をもつとします。
●スイッチング関数(3)を
と表すと、等価制御が存在する前提条件は
となります。以下ではを仮定します。このとき、正方行列はすべて正則となります。
[2] (4.1)に対して、座標変換
を行うために、まず(7)を(4.1)に代入して()
を得て、左からをかけて
すなわち、次式を得ます。
ただし
また、(4.2)と(3)は、次式のように表せます。
ここで、の固有値が の不変零点に等しく、スライディングモードの振舞いを決めます。しかし、ですから、には選択の自由度がないことに注意します。
[3] 以下では、(10),(11),(12)を考えますが、煩雑さを避けるために、、、のバーをとって記述します。
●さて、出力FB型のSM制御則として次式を考えます。
ここで、とは設計パラメータ、は後で示す定数です。
これによる閉ループ系は、(13)を(4.1)に代入して、次式となります。
●このとき、SM制御則(13)を、2次安定性
が成り立つように決定します(, )。ただし、次式を仮定します。
また、(17)と(13)から次式が得られることに注意します。
●これらの準備の下で、(15)が次のように示されます。
●ここで、次式を示すことができします。
実際、左辺は
となり、これは公式
を用いて、以下と等価になります。
ここで、(*)は仮定より満足されるので、がとなるための条件となることが分かります。