Walcott-Zak’s observer…Homework
[1] 制御対象の状態空間表現として次式を考えます。
ただし、はモデル誤差、非線形要素、外乱などの影響を表し、次のマッチング条件を満たすとします。
●このとき、Walcott-Zakは次のSMオブザーバを提案しています()。
ここで、はが安定行列となるように選ばれているとします。また、
を満足すると、あるに対して
が満足されているものとします。このとき、は
ただし
のように与えます。
これは、通常のオブザーバと同様に、出力の推定誤差 をフィードバックした上で、出力の推定誤差のスイッチング動作が加えられています。これにより、モデル誤差、非線形要素、外乱などの影響があるにも拘わらず、の超平面に載せることが考えられます。
[2] (3)から(1.1)を辺々引き算して、誤差方程式
すなわち
を得ます。このとき、リャプノフ関数
に対して
を得て、2次安定性が成り立ちます。したがって、ある有限時間で、次の超平面上でのスライディングモードが達成されます。
[3] 適当な座標変換を用いて、(1.1)の状態空間表現として次式が得られます。
ただし、は安定行列です。
●これは予備的検討における(3.1)と(3.2)と同じタイプですから、そこでの(18)に相当する
を設計できます。これから、(3)と(6.1)におけるとを、次のように定めることが提案されています。
ここまでの手順を、関数smobs2としてプログラムすることにします。
Note C-83: (11)への座標変換
いま
と分割し、座標変換行列
を定義します。このとき
を得ます、また
と表すと、に注意して
および
を得ます。また
より
すなわちであることに注意します。
●本文(4)の左右から、とをかけて
また本文(5)の左から、をかけて
を得ます。したがって、座標変換後も、本文(4)と(5)は同様に成り立ちます。
(9)において(6)と(8)を考慮すると
すなわち
したがって、は安定行列となります。
また(10)において(3)と(5)を考慮すると
すなわち