補遺:出力FB型追従SMI制御…Homework
[1] 定値外乱を受ける制御対象
の出力を、次のコマンド(定値目標)
に追従させることを考えます。そのために、積分動作
を考え、次の拡大系を構成します。
定常状態では
を得ます(,,は定数ベクトル)。
●さて、関係式
を用いて、偏差系
を得ます。これはSM標準形となっていることに注意して、SM制御系を設計します。
●スイッチング関数として、次式を考えます。
(15)に対して、座標変換
を行って、次式を得ます。
以下では、が安定行列となるようにスイッチング関数が選ばれていると仮定します。
●このとき、スライディングモード制御則(SM制御則、SMC則)
を、2次安定性
すなわち
が成り立つように決定します(, , )。
可到達性の検討
等価制御は
のように得られます。(20)の第1項は、この等価制御をベースして
のように構成します(は安定行列)。このとき閉ループ系は次式で与えられます。
すなわち
ここで、は安定行列なので
を満たすを選ぶことができます。これを用いて
と選びます(は定数)。このとき次式が成り立ちます。
スライディングモードの検討
は安定行列なので
を満たすを選ぶことができます。
積分動作をもつSMC
上で求めた偏差系E3に対するSMCは次式で与えられました。
これらを積分して、制御対象(1)に対する積分動作をもつSMCを導出します。
まず(32)は(10)を用いて次式のように書けます。
これを積分して
次に(33)は(10)を用いて次式のように書けます。
これを積分すれば